国民から愛されるZoom を誇りに「青い旗印」を掲げて日本をリード|下垣典弘代表(ZVC JAPAN株式会社)

就任して感じた国民からの愛!率いるからには全身で体現

社外から新たに企業の代表に就任すると、輝かしい業績や文化だけでなく、さまざまな側面も背負うことになる。ところが日本には、初対面で社名を名乗れば、必ず「ありがとう」が返ってくる、国民に愛されたIT企業が存在する。Zoom Meetingsを始めとするコミュニケーションプラットフォームを提供するZVC JAPAN株式会社(以下、Zoom)だ。代表取締役会長兼社長の下垣典弘氏が率いている。

「2年前に就任して間もなく、老若男女問わず『使っている』とお声をいただき、非常に有難く感じました。当時の私はまだ何かを成し遂げたわけではありません。これからという時期に、マーケットの皆さまが口々に『ありがとう』と言ってくださる。そんな会社を心から誇りに思いました。社員たちもZoom愛が強い人ばかりです。アメリカ本社も、私たち日本法人のメンバーが会社を好きになる仕掛けをたくさん用意してくれています。それぞれの社員に入社1年目の突然のプレゼントが送られてきたり、サプライズのZoom Goodsが送られてきたりと、企業として“洒落”ていますよね」

愛情たっぷりに「国民の誰からも知られているブランドを、私自身が溺愛している節があります」と白い歯を覗かせた。「Zoomのイメージカラーは、ロゴと同じブルーです。自分が率いている組織だからこそと思い、ネクタイやスーツに青色を取り入れるようになりました」

社内には、社員のみが購入できる自社グッズの販売サイトがあり、米国の大手スポーツメーカーとのコラボ商品のほか、文具や電子機器、日用品まで幅広いラインナップが揃っている。愛用者も多いそうだ。被災地にチャリティーとして衣料品やモバイル用品の提供も行っている。

同社が目指すのは、日本の未来をデザインすること。高齢化社会が進んでも、若者も高齢者も、誰もが幸せになれるプラットフォームとして、社会を支えるため、多方面での展開を進めている。

「プラットフォームというと、線路や電話をイメージされるかもしれません。現在はITの発展によって、インターネットを始めとして気がつくと側にあるものになっています。我々の最終ゴールは、ありとあらゆる場面において、人間の根源的な部分である“人と人とを繋ぐ”ことです」

教育や医療現場でも、Zoomは社会インフラとして陰の立役者を担っている。

「教育には飽和点がなく、現在では大人になっても、または画面越しの海外からでもトレーニングを受けられるようになりました。

一方で、義務教育の中には不登校の生徒もたくさんいらっしゃる。人口減少によって教員が在籍していない地方自治体もあり、公立の小中学校、高等学校が失われていくことは明らかです。そんななかで、どこにいても、どんな授業でも受けられるような社会を目指しています。つまり、不登校であっても、地域的な不利があっても、学校の建屋を超えて世界各国の授業を受けられるような取り組みです。

また、日本は災害大国でもあり、避難するとしたら学校に向かいますよね。その日その場所が災害対策本部になります。学校に行けば家族の安否が分かり、先生や地域の人と繋がれる。そういった世界を作るために地域連携協定を進めています」

日本の中山間地帯では、人口減少によるコンビニ、スーパーだけでなく、病院の撤退も深刻化している。地域に根付いた高齢者は買い物ができず、適切な病院での診療も難しくなってしまう。

「全国的に医師の数は増えていますが、地方に行くと将来は内科しか残らないといわれています。外傷を負ったら移動手段である車にも乗れません。そこで、Zoomを通した病院間の連携も全国で進んでいます。

例えば静岡県で行っているモデル事業として、小児救急リモート指導医相談支援事業というものがあります。

静岡市にある静岡県立こども病院では、近隣の志太榛原(しだはいばら)医療圏や富士医療圏などの小児二次救急医療機関の医師が行う診療を、必要に応じて遠隔で支援する事業を試行的に行っています。医師の先生方が困った時に繋ぐ相手、その裏にたまたまZoomが入っているという、社会インフラとしての在り方を目指しています」

下垣代表は12年に渡り一般社団法人日本スタートアップ支援協会の顧問も務めている。きっかけは以前勤めていたオラクル社の創業者ラリー・エリソン氏と楽天グループ創業者の三木谷浩史氏との関係の中での学びと、楽天の元役員の方と協会代表理事の岡 隆宏氏との出会いだった。

「どのキャリアの中でも楽天様を長らく担当しており、とある楽天の役員の方がお辞めになる際に、『何をしても楽天の競合になってしまうので、スタートアップの支援をする』と仰っていました。当時の私はスタートアップの活動を知らず、その方に協会代表理事の岡さんをご紹介いただいたのですが、なんと、岡さんは自ら起業家として13回のピボット経験をお持ちの方でした。普通事業が行き詰まったら、なかなか再度挑戦とはいきませんよね。ですが、……

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(取材・執筆:水野友紀子、撮影:丸山 尚)

 

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ZVC JAPAN株式会社
代表取締役会長兼社長 下垣典弘

しもがき・のりひろ/ 2023年、ZVC JAPAN株式会社 (Zoom Video Communications, Inc.の日本法人)代表取締役長兼社長に就任。「ひとつのプラットフォームが世界を変える 無限に広がる人とのつながり」をミッションに掲げ、2022 年の入社以来、日本におけるテクノロジーの発展とビジネス拡大に尽力。一般社団法人日本スタートアップ支援協会の顧問としても活躍中。

公式サイト https://www.zoom.com/

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